ティシュ下さい。

『私の鼻がもう少し高ければ
  この世界も
 ちょっと変わるかもしれない。』
  
先日、電車に乗っていたら
鼻水が、垂れてきた。
花粉症だ。
カバンに常備している
「ポケットティシュ」が無い!
いつも3つくらい、あるのだが、
そういえば、最近立て続けに、
花粉症で困ってる人に、
渡したので、無くなっていた。
タオル地のハンカチも、
洗濯するために、確かカバンから出した。
そして、代わりのハンカチを
入れ忘れていたのだ。
ピンチだっ!!
代用のモノがない。
靴下を脱ぐ訳にもいかない。
スケジュール手帳の紙を
破っても硬すぎるだろう・・・。
鼻水をすすり上げるのにも、
限界だった。
ふっと、周りを見ると、
人の少ない時間帯だったので、
私の乗ってる車両は、二人ほどの
お年寄りと、居眠りをしてる、
おじさんしか居ない。
私は、車両の端、連結近くの座席に
移動した。
これで、私の前には、誰も居ない。
ココで、この花粉症の時期に、
「チーン・・・!」と
鼻をかんでも、不振人物ではあるまい。
私は、意を決して、
常備用の 生理用ナプキン で、
鼻をかんだ。
世界広しども、こんな女は
なかなか居ないだろう。
これが、満員電車だと思ったら、
本当に恐ろしいと思った。
  
『私の鼻水がもう少し垂れたならば
  この世界も
 ちょっと変わるかもしれない。』