おさななじみ。

学生時代、同級生の男の子が、
色々なアルバイトをしていた。
夏は、海やプールの監視員。
冬は、スケートリンクの監視員。
彼の話によると、スケートリンクの監視員は、
ある一定の時間になると、リンク場の点検のため、
お客さまに、一旦リンクから出て頂いて、
数人の監視員で、氷の具合も
確かめるために、滑るのだそうだ。
その時、バクテンをしたり、
 (意味ないやん!バクテン!)
ちょっとした小技を見せると、
その後、必ず、女の子が、
「スケート教えて下さーい♪」と来て
モテると、当時、よく聞かされた。
私は、幼稚園に入る前からの幼馴染だった彼を
おもちゃの取り合いなどで、よく泣かしてたので、
なぜ、モテるか不思議でしかたなかった。
まぁ、これは私の主観なので、置いておこう。
そんな、幼馴染の彼が、ある時、
友達と賃金の良い、深夜のバイトに行き始めた。
鶏(ニワトリ)をさばいてる工場の、
「箱詰め」だった。
ダンボールを業務用の量りの上に乗せ
首をはねられた、ニワトリを、10キロなら、
キッチリ10キロに、ニワトリを詰めて、
ふたをする作業だった。(らしい・・)
始めは、箱にダーッ!と、
ニワトリを詰めて行き、10キロを超えると、
違うニワトリと入れ替えてみる・・・。でも、
今度は、10キロに満たない・・・。
その日は、何度、ニワトリの肉を入れ替えても、
10キロジャストにはならず、
何度も何度も、こっちのニワトリ、あっちのニワトリと、
小ぶりなの、大きいのと、入れ替えていたが、
オーバーするか、足りなくて、上手く行かなかったらしい。
彼は、その日は、デート♪の約束をしていたらすぃ。
以前、スケートリンクで、出会った、女の子だ。
彼は、焦っていた。
時間までに、一定の箱詰めを終わらせなければ、
残業である。
この日だけは、絶対に残業は、出来ない!!!
で、彼は、何んとなく、焼却の方にまわされる、
ニワトリの「首(顔)」を、一つ箱に入れて見た。
ビンゴ〜〜〜!
ぴったり10キロだったらしい。
もぅこうなったら、このまま封をしちゃえ!とばかりに、
首ひとつ、入れて仕事を終わらせたらしい。
数日して、上司に呼ばれて、
ニワトリの首が入っていた!と、取り引き先から、
苦情が来たと、怒られたらしいが、
知らぬ存ぜぬで、通したみたいだ・・・。
きっと、大人には、バレバレであったに違いない。
その後、麗しの彼女とは、上手く行かず、
別に、ニワトリの首の一件が、原因では全くないのは、
一目瞭然であるが、さすがに、
道端や喫茶店では、バクテンは無理なんだろうなぁ〜!
と、私は、彼の相談を聞きながら、思っていた。
今、思うと「青春だなぁ〜!」と思う。
5歳位〜20代の半ばまで、よく遊んだ。
親同士が、仲が良かったせいもあって、
家なんかも、勝手に、上がっていたし、
女友達のようであった。
彼からすれば、男同士で、あったらしい。
私は、男と女には、友情は成立するか?と問われれば、
経験上、「成立する。」と思う。
喜ぶべきなのか、悲しむべきなのか、
本当に私は昔からよく「成立」してしまう。
(なぜ?私が、おっさんだから?)
まぁ、それも『青春』である。
えっ?私は、どんな「バイト」経験が
あるのかって?
それは、それは、
ひみつのアッコちゃん」なのである。