「秋止符」

セミの断末魔が、聞こえて来るこの時期、
9月になりました。
秋ですね。
夏の終わりは、切なくなんだか、淋しいです。
 
夏、精一杯「恋」をした人も、
終わりを迎える季節でしょうか?
 
♪今年の秋はいつもの秋より長くなりそうな、そんな気がして♪ 
友人の話ですが、
この度、4年9ヶ月の恋愛に
ピリオドを打ったそうだ。
新しい恋を見つけたからではない。
4年9ヶ月の間、その彼は、
何ひとつ変わらない愛情で、彼女を
包んでくれていた。
その愛情は、押し付けるものでも、
強制するものでも、見返りを求める、愛ではなく、
とても深い深い愛情であった。
これほど「信頼」出来る人には、
もぅ、巡り合えないだろうと彼女は言った。
 
彼女は、このまま彼の優しさに、包まれていれば、
この先も、怖いコトなどないと、確信していた。
私も、この二人のコトは知っているが、
本当に、この二人は、出会うべくして、出逢った。
出逢うために、同じ時代、に産まれて来たような
二人だと思った。
 
だが、彼女は、別れを誰に相談するコトもなく
決めた。
彼は、彼女の別れを理由も聞かずに、
承諾した。
これも、彼の彼女に対しての
「優しさ」であったのだろう。
 
二人の、お互いを思いやる気持ちは、
今も以前と何も変わっていないだろう。
もちろん、出逢った頃の「情熱」は、なくなっては
いただろうが、その分「信頼」や「情愛」「理解」は
深いモノだったように思う。
 
「そんな大切な人と、
  どうして別れたの?」
私も含む、誰もが思う疑問である。
 
彼女は、彼を自由にしてあげないと、彼をダメにしてしまう。
と、感じていた。
「裏切る」ことのないまっすくな気持ちの彼に、
自分の人生を、背負わすわけには行かないと
感じたそうだ。
 
彼はきっと、彼女のマイナス部分も、悩みも、
辛さも、一緒に分かち合ってくれる人だ。
それが痛いほど、判るから、別れた。
彼も、彼女の足かせにならないように、
その別れを承諾したのだろう。
 
手を伸ばせば、そこには、いつも
優しく、包んでくれる「腕」があった。
淋しい夜は、飛んで来てくれる「笑顔」があった。
4年9ヶ月、逢えない夜は、「おやすみ」と癒してくれる
電話の「声」があった。
 
私は、この話を聞き、
「好きだから、相手のために別れる」と言う事が、
実際、あるんだと思った。
 
もしかしたら、彼の方も、
言い出せなかっただけで、この恋に
疲れていたのかもしれない。
彼女も、彼の優しさに、十分、返せない歯がゆさが
あったのかも知れない。
 
その真意は、二人にしか、
判らない事だ。
もしかしたら、二人にも、判らない事かも
知れない。
 
私は、この二人の、将来に
心からの「幸せ」を願ってやまない。
 
やや、友達として、
ヤケになってしまいそうな彼女が心配では
あるのだが・・・。
 
皆さんの「恋」は
順調ですかぁ?
 
周りを見て下さい。
あなたにとって、当たり前にそばに居る相手。
当たり前の毎日。
当然来るだろう、明日。
 
それは「当たり前」や「当然」ではないのかも
知れません。
 
もぅ一度、考えてみませんか?