幼過ぎたんです。(1)

私(スモーク♀)が中学生の頃、空前の
ゲームウォッチ』ブームが巻き起こった!
ゲームウォッチとは、運転免許証を少し大きくしたぐらいで、
厚みは1センチあるかないかである。
その中に白黒ではあるが画面があり、ゲームが出来るのである。
白黒とは言え、画期的だった。
ウォッチ・・これは小さくデジタルで時間が表示されているが、
玩具社の建前のようなモノだ。
<時計は学校に持って行っても良いがゲームは禁止>と言う
校則うまくかいくぐったのだ。
余談だが『スーパーカー消しゴム』にも私は、同じ臭いを感じる!
スーパーカーのおもちゃは学校に持って行ってはいけないが、
消しゴムなら文具なのでOK>である。だが、コレがまた、
消せない消しゴムなのだ。
本当に使用する消しゴムは、また別に持たなくてはならない。
『ゴムで、出来たスーパーカーのおもちゃなのだから!』
話の本筋に戻そう。
この『ゲームウォッチ』ブームの時、私は、中学生だったが、
今の中学生に比べると、遥かに幼かったように思う。
最近の中学生は「おしゃれ」や「ファション」に敏感だが、
私などは「ゴム飛び」に休み時間を投じていた。男の子は、
やたらとフタの多い「ふで箱」で遊んでいた。
 (昭和のにおいがプンプンするゼッ!)
そんな幼い私達は、みんなその「ゲームウォッチ」が、
欲しくて欲しくて仕方なかった。だが、
一万円前後のその代物は、一部の子が持っているだけで、
簡単には買えない。
そのため、持っている子から「借りて遊ぶ」のが普通だった。
その頃『技術・家庭』と言う授業があった。
今では、男女平等に料理なども習うらしいが、
私達の頃は、男女が別々に授業を受けた。
家庭科の授業は退屈だ。
一人が、ミシンを使っていると、その時は待つだけ、
することがない!
仮に私(スモーク♀)の苗字を、関口にしよう。
友人たちの名前は、実名で、書かせて頂く。
私だけでも仮名にすれば、逃げ道はあるだろう(?)
私と友達の和田さんは、退屈な家庭科の時間を潰すために、
木村君からゲーム内容の違うゲームウォッチを2台借りた。
その時、木村君は『もし先生に見つかっても俺の名前は、
出すなよ〜!』と言ったので、私と和田さんは、その約束を
固く守る約束をした。
私と和田さんは家庭科室のテーブルの下で、ゲームに没頭した。
そして、家庭科の先生に見つかり、没収されてしまったのだ!!
見つかっても、怒られるだけの予想が、まさか!
没収になるとは!
しかも卒業まで返さないと言っている!ヒェ〜!
木村君に『名前を出すなよ〜!』と言われたが『取られるなよ〜!』
とは言われていない。
本当に予想できないほど、子供だった。
『どうしよー!弁償なんか出来へん!』と和田さんと話てると
同じ班の武田さんが言った。
『私、今日、日直当番で、日報を持って職員室に行くから、隙を見て、
家庭科の先生の机から取って来てあげる!』
おぉ〜!力強い言葉である!
私と和田さんは、後先を考えず、武田さんにお願いした。
その時、武田さんは言った。
『でも、私の名前は出さないでね!』
ガッテン承知の助である!
そして武田さんは、ゲームウォッチを取り返して来てくれて、
私と和田さんは、木村君に無事返した。
とにかく、弁償は免れたのダ!<続く>