トイレでオシッコ(邦画編)

深夜の病院は、
昼間のような人の出入りがなく、
一階の「ロビー」や「受付」は、
電気が消されている。
救急の入り口に警備員さんが、
居てくれているだけだ。
私は、先日深夜の病院のロビー近くの
「トイレ」を利用しようとした。
トイレの電気も消されていて、
真っ暗(薄ぼんやり)で、
入り口で躊躇した。
でも「オシッコしたい!」
きっと他にもトイレは
あるのだろうけど、
急いでいたのと、オシッコの我慢が
限界だった。
病院の真っ暗なトイレの中に入るのは、
とても勇気がいる。
オバケが出るとか、そんな
子供みたいなコトは思ってもないんですけど・・・
広いロビーの片隅のトイレ、
周りに誰も居ない。
本当に、裏口の警備員さんに
着いて来て欲しいくらいだった。
何んなら、トイレの個室の扉も
開けたままで、用を足したい気分だ。
でも、オシッコは待ってくれない。
勇気を出して、真っ暗なトイレに
入った。
個室に入り鍵をかけた。
周りは静か過ぎるくらい、静かだ。
遠くで聞こえる救急車のサイレンが、
いっそう、恐怖を増した。
そして便座に腰掛けた途端に、
予想もしない恐怖が起こった。
ボワ〜ン!と個室の上の蛍光灯が付いたのだ!
私は、小さい声ではあったが「ヒィ〜!」とか
言ったかも知れない。
その後、トイレの手洗い場など、
順番に明かりが付いていった。
どうも、トイレの便座に座ると、
<人が入りましたよ〜♪>って感じで、
自動センサーが作動するらしかった。
だったら、トイレに足を踏み入れた時点で、
電気が付くセンサーにして欲しいよ〜!
便座に座って、パンツを下ろしてから、
電気が付くなんて、
どう言うことよ?
パンツ下ろして「ヒィ〜!」と一瞬立ち上がり、
天井を見上げ、また座る。
とても間抜けだ!
あれだけ、我慢したオシッコも、
鈴虫の鳴き声みたく、チロチロとしか出なかったよ。
あの時点で、もしトイレを「コンコン!」と
ノックされたりでもしたら、
オシッコどころか、潮を吹いていたかも知れない。
もちろん攻撃、身を守る意味でね(?)
 いちいち怖かった、病院での話しです。