交渉人(完結編)

知人の男性の濃い実話である。
深夜、タクシーの運転手さんに、
「2千円で、中百舌鳥(なかもず)まで、
 行ってもらえますか?」と、
交渉したそうだ。
この不景気な時代だ。
お客さん待ちのタクシーの運転手さんは、
<財布が厳しいのは、お互いさま、
助け合うのが、人情・・・>とばかり、
快諾してくれ、無事に、自宅前まで、到着。
そして、おもむろに、
財布から、一万円札を取り出し、
 「おつり、ありまっかっ?」
運転手さん
 「お金、持ってますやん!!」
2千円の約束だったので、
もちろんメーターは、倒していない。
2千円で、行ってもらえますか?
承諾をしたわけで、
2千円しか、無いです。と、
言われた訳ではない。
ガテンがいかなくても、
地団駄を踏んでも、
今さらジローだ。
見事な攻撃だ!
 タケちゃんマン!!
運転手さんに、怒られた!と、
嘆いていたが、
私は、運転手さんが
トラウマになっていないか、
少しばかり心配である。
なぜなら、この男、
運転手さんから「領収書」まで、
書かせたのだから「あっぱれ!」である。
大沢親分と、張本さんが聞いたら、
確実に「渇ッ!」であろう。
 
「2千円」「中百舌鳥」「領収書」
3本目!のようで、
「2千円」「中百舌鳥」「領収書」「運転手さんのトラウマ」で、
バーストかも知れない。