アンビリバボー! 

もぅ、十数年前の話だ。
私は大阪市内の有名な某ホテルの
「レストラン」で、バイトをしていた。
ちょうど今時分の暑い夏だった。
レストランでの仕事は、
簡単な飲み物などを、お部屋に
届けたりもする。
お客さまから、フロントに電話が入ると
フロントから直通の電話がレストランに
入ると言う仕組みだ。
大概、厨房の男性などは、電話に出たがらないので、
女性が、出る事になっていた。
そのうち、フロントの人が休憩でレストランに
来られたりで必然的に仲良くなっていった。
仲良くなると、私のようなペーペーのバイトでも、
ホテルの内情を教えてくれる。
そのホテルには、本館から継ぎ足したように、
新しく別館があった。
そんなある日、フロントの人が、
『あぁ、また別館の411号室から、部屋を替えて
 欲しいと電話あったわ〜!』と、
誰に言うでもなく、愚痴のようにつぶやいたので、
私は「どうしたんですか?」と言った。
聞いた話は・・・。
その部屋に、泊まられるお客様からは、
良く「部屋を替えて欲しい」とか、
「誰かが部屋に居たのだけど、従業員では?」
またハッキリと
「この部屋は何かある(出る)ので部屋を替わりたい!」
と・・・
だが、マニアルとして、フロントは
「只今、空きのお部屋が御座いませんので・・」と
空きの部屋があっても断るのだそうだ。
で、フロントでは
「また、出たみたいよ・・」と言う話が、
普通に交わされていると言う。
そして、従業員(男性)も、夜中に部屋の備品の点検に
その部屋に入った時、洗面台の鏡に映る
髪の毛の長い女性を見たと言うのだ。
もちろん振り返っても誰も居ない。
私は、その従業員の男性に、事実かどうか
尋ねてみたのだけど、
「うん。まぁ・・」とその話は
したがらないのだ。
だけど嘘ではないと思う理由は、
この従業員さん、決して、その部屋へは、
行かないのだ。
行かなければいけない用事が出来ても、
別の人に代わって貰ったり、
一人では行かず、誰かと伴なって行って
いたのだから、まんざら嘘ではなさそうだ。
又、その部屋に泊まった女性のお客様は
良く怪我をされていた。
もちろん、こんな話は、他言無用だ。
ホテルの外部には、漏らしてはいけな話だ。
でも、そう言うよく判らない事って、
あるんだと思った。
さいわい私は、怖い思いはしなかった。
 
もぅ一つ、聞いた話に
中森○菜が泊まりに来た時に、
マネージャーや本人が外出中に、
従業員が、合鍵で部屋に入って、
ニオイを嗅ぎまくったらしい!
なぜか、それがバレて、
マネージャーが、相当怒ったと言う話だ。
ある意味、こっちの話の方が怖いと思うのは、
私だけだろうか?