100章記念!(1)2005.3.10掲載。

私(スモーク♀)は、○年前の深夜2時半頃、
どうしても!どうしても!スナック菓子が
食べたくなった。
でもその時、着ていたジャージは、
パジャマ専用だったので、たかがコンビニに外出するにも、
キタナイ色あせた、ジャージだった。
いつもは、着替えて外出するのだが、その日はなんだか、
面倒だった。
『えぇーい!この際、上着をはおってパッ!と行って
スナック菓子だけ買って来よう!!』と私は、
自分の欲望のみを満たすために、上着をはおり、
「自転車のカギ」を手にした。
自転車に乗って、少し走ると、タイヤがパンクしていた。
ダメだこりゃ!だったので、仕方なく、自転車を戻し、
歩いて行くコトにした。
そこは住宅街で、人は歩いていなかった。
キタナイパジャマ姿の私には、人目を気にするコトなく
ラッキーだった。
コンビニまでは、少し遠いが、すぐ左に曲がると、
後は一本道である。
いつもの慣れた道。私はすっかり散歩気分で、
自分のキタナイパジャマ姿や、自転車のパンクのコトなど、
すっかり忘れていた♪

コンビニに着き、見るとお客さんは、
汚い(お前もやがな!)おじさんが、一人いるだけだった。
コンビニの店員は、親切そうな若者二人がいた。
私は、お目当てのスナック菓子をかごに入れレジに向かった。
たまたま、私の先に来ていたおじさんが、清算中だったので、
少し待った。
「アリガトウゴザイマシター!」と店員の声がして、
私の番が来た。私も清算を終え、店を出た。
そしていつもの「癖(クセ)」で、
コンビニの前に止めてる(はず)の自転車を探した!
数台放置的に止められている自転車の中に、
私の自転車は、いくら探してもなかった。
当たり前である。
本日は、歩いてきたのだから・・・
だがその時私は、いつものように自転車に乗って来たと
思い込んでいた。
なぜなら、手のひらに握り締められた自転車のカギ!
それから(数メートルだが)自転車に乗った感触が、
私の、股間に、あったからである。

  状況証拠はそろった!
私は、とっさに、あのさっきの汚いオヤジの事が
頭に浮かんだ。
『あやしい・・きっと奴の仕業に違いない!』
一本道を見ても、オヤジの姿は見当たらない。
『きっとカギを掛け忘れた私の自転車に乗って帰ったのだ!』
思い込みとは、スゴイのもである。
私は、コンビニの中に飛び戻り、店員のお兄さんに、
「自転車が、パクられました!」と、
鬼の形相で、色あせたパジャマ姿で、言い放った!。
私(スモーク♀)はコンビニの店員に、
自転車のカギを見せながら、自信満々に、
『カギを掛け忘れたと思うんです。でね、今私の前に
出て行ったおじさんが怪しいと思うんです!』と
言い切った。
もちろん、自転車のカギは証拠品として見せたが、
股間に残る感触のコトだけは私だけのひ・み・つである。

心優しい店員の青年二人は、とても心配そうな顔で、
緊急連絡簿(?)のような紙を出して来て、
『今ならまだ、間に合うと思いますので、
トロール中の警察に連絡しましょうか?』とまで、
言ってくれたが、私は、早く帰ってスナック菓子を
食べたかったので、じれったいのが嫌で、
『もぅ、いいです!でもちゃんと指定の駐輪場で、
とられるなんて・・』みたいなコトを言ったと思う。
その時、一人の店員が言った。
『あっ!そうや!駐輪場なら、防犯カメラで、
撮影してますので、今から巻き戻して、見てみますので
お時間イイですか?』と・・・
私は、そう言われてる時、ボヤ〜!と、歩いて来た事を、
思い出していた。
背中に、嫌〜な汗が流れた。
友達と一緒なら『すみませぇ〜ん。カクカクシカジカで、
勘違いでしたぁ〜!テヘッ!』と、おどけて見せる事も
出来たかも知れないが、なんせ、深夜の3時・・・
色あせたパジャマの女、一人・・完全にあやしい!
私が店員の立場なら、絶対に、<あやしい女>にしか
見えない。
あぁ、さっきのオジ様!
あなたは、全然あやしくないでちゅ〜!
ちょっとお酒のアテでも買いに来られた、
善良な市民であろう。

<防犯カメラ>は駐輪場から、真っすぐな、
私の来た道をとらえている。
今、ビデオを巻き戻して見られたら、
私(スモーク♀)がプラプラと間抜けズラで、
歩いて来る姿が、写し出されるに違いない!
とても、心配そうに親身になってくれている、この若者に
申し訳がないが、『実は・・』と言う勇気もない。
  (あの時の若者よ!すまぬ!)
私は『もぅ時間も時間ですしビデオはいいです。
すみませんでした。』と言って店を出ようとした。
どこまでも親切な若者は、
『自転車は何色ですか?特徴はありますか?探しておきます。』
と言うではないか!!
も、もぅこれ以上私にかまわないで下さい。
お願いですからぁ〜!

私は『紺色の普通の自転車です。』と言ったが、
現在の一番の特徴のパンクしている事は決して言わなかった。

私は来た道を、又歩いて帰った。
真っすぐ続く道は長く、何度か振り返ると、
どこまでも、どこまでも親切な店員さん二人は、
『すみませんでした。』と頭を下げている。
スミマセン ハ ワタシノ ホウ ナノ二・・
本当に申し訳ない気持ちで、一杯だった。

きっとあの名探偵コナンのような青年たちは、
私が帰った後、防犯ビデオを見てるに違いない。
一本道の向こうから薄汚いジャージ姿の女がタラタラと
歩いて来る、私の姿を見て、どう思ったであろう?

きっとあぶない女に思われただろう。
もしかしたら<この女に注意!>とモンタージュ写真が、
コンビニ各店舗に、配布されたかも知れないと思うと、
少しばかり、指名手配者の気持ちが判る気がした・・。


いや・・でも、あの時、股間にサドルの感触が・・とても・・
・・だったんです。エッチな意味じゃなくね! <終> 

(この日記はいつも、ノンフィクションです。)