「おねしょ」     

今の子供たちは、いくつまで、
「おねしょ」をするのだろうか?
もちろん、個人差はあるだろう。
私(スモーク♀)は、たまーに小学校、一年生までしていた。
でも、今思うと、意識のある「おねしょ」だった気がする。
赤ちゃんの「おねしょ」は無意識で、純粋だとすると、
小学一年生の当時の私の「おねしょ」は、
「あー!トイレ行くのん、面倒〜!(ジョ〜〜!)
あ〜!気持ちええ!まっ!いっかグー!Zzz」と、
眠りの浅い中で、していたように思う。
たまの「おねしょ」だが、母親には怒られていた!
 
私は「おねしょ」をしたある朝、
タンスに、自分の替えのパンツを取りに行くと
「おねしょ」がバレてしまうので、
「おねしょパンツ」は、洗濯カゴに入れて、
パンツをはかず、ウエストがゴムのズボンだけで、
学校に行った。
私の名誉のため(?)に話しておくが、
もちろん、靴下やシャツは身につけての登校である。
裸に「くつ下」なら変質者だが、
パンツを履いていないのは、 変態 、誰の目にも、
判らないので、人に迷惑はかけまい。
私は、親に怒られるのが嫌だった。
「おねしょ」の件は、学校から帰宅してから怒られる、
嫌な事は、後回しにした。
ただ、「今、怒られたくない」だけであった。
そんな生まれて初めての「パンツ不装着での登校!」
したのである。
今までの人生を振り返っても、外出時に下着を、
身に付けていないのは、 プレイとしても皆無だし、、この日のみである。
が、しかーし!人生とは不思議である。
そして、皮肉である。
この日、私は登校して、青ざめるコトを朝の会(ホームルーム)で、
先生から聞かされたのである。
『今日は、身体測定の日です。一組から順に、保健室に、
パンツ(下着)一枚になり、男子女子と、一列にならんで来て下さい。』
ものすごい、ショックである。
朝、母親の小言を回避したのに、
これでは、試合に勝って、勝負に負けた!ようなものだ。
パンツ一枚って・・・
私はそのパンツを今日、その日、履いていないのである。
何度も言うが、この日に限ってである。
私は、一年四組だった。
三組の男子の測定が終わり、三組の女子の測定が
始まったら、四組は、パンツ一丁になり、
保健室に向かうのだ!
私は、ドキドキした。そして、クラスの仲良しの
宮崎さんコトみーたんに、今、私の身に起こっている
現状を、正直に話し相談した。
みーたんは、笑う事などせず、真剣に一緒に悩んでくれた。
そして、みーたんが私の手を取り、職員室の先生の所に
連れて行き『パンツを履き忘れて来たそうです。』と、
「おねしょ」のコトは内緒に話してくれた。
でも、履き忘れるって・・・不自然である。
その時、私はみーたんの横で、子供ながらに、子供を
精一杯、演じてみせた!
<私はまだ、幼稚園から来たばかりの子供ですよぉぉ〜!>
みたいに・・・
先生は、さすがにパンツの一件には、一瞬驚いた顔をしたが、
『じゃぁ、今日は上だけ脱いでズボンのままで、
保健室に行きなさい。』と言った。
みーたんは、笑顔で私に笑いかけてくれた。
だが、ゾロゾロとパンツ一枚で歩いてる中に、
私一人、小学一年生らしい、親が、車にひかれないようにと
目立つ色にしてくれたのか、赤いズボンがやたらと、
目立つのである。
すかさず男子たちが「何んで、お前だけズボンはいてんねん!」
などと、言い出した。
子供は正直だ。
見たままの疑問を口にする。
私は何も言えず、黙っていた。
<早く、身体測定が終わればいいのに!>
ただ、それだけだった。
だが、私がなぜ「ズボン姿」なのか真相をただ一人知るみーたんは
必要以上に私をかばい、男子に、
「パンツはいてるでぇ!ほんまにパンツはいてるやんなぁ!」
と守ってくれた。
これでは、まるで私が、パンツを履いていないかのように、
聞こえるではないか・・!
(事実、履いてないのだが・・)
みーたんは「おねしょなんか、してないで!」とまで、
言ってしまいそうな勢いである。
そうなってしまえば、まるで「吉本新喜劇」の泥棒コントである。
   「ココには、居ません!」by花紀京 
身体測定も無事おわり、子供たちの感心は、
ドッチボールなど、別のモノに向かった。
みーたんは、「今日は、バレなくて良かったね!」と、
言った。素直に言った。
だが、私は、少し泣きベソをかきそうだった。
張り詰めた糸が、緩んだのだろう。
そして、家に帰って、その日の一連の話を、母親に話すと、
こっぴどく叱られた。
こんなコトなら、朝「おねしょ」の件だけで、
怒られた方が、何十倍も何百倍も良かった。バブー。