取調室にて・・    

唐突だが、私(スモーク♀)が通っていた、
中学・高校は、とても、校則が厳しかった。
例えば・・・
(一)筆箱の中のペンは、2色まで。
    (蛍光ペンなど、何本取り上げられたコトか!)
(ニ)靴下は、ワンポイントまで。
   ラインは二本まで。
   三つ折はOKだが、白のみとする。
(三)靴の裏の柄は、あってはならない。
   靴底の厚さは、上履き(上靴)のような薄さで、
   厚みがあってはならない。
    (色は白のみ)
(四)男子は、丸刈り
   女子は、後ろの髪の毛が、襟につかない。尚、
   伸ばしてる途中であれば、襟に付いた時点で、
   担任に申告し、黒のゴムで、1つに束ねる。
    (・・でも、襟に付いた時点では、もの凄〜い量の、
     ヘアピンで、サイドの髪の毛を、止めて、真ん中で、
     チョコンと、ゴムが付いているだけになります。)   
(五)プーマなどのカバンで『エナメル』質のカバンは、
   禁止! 
(六)交換日記禁止。
    (女の子同士や、友達、グループでも)
・・・まだまだ、あるのだが、例を挙げても、
これくらいはあった。これらの禁止の理由は、
    不良の原因になるから! だそうだ。
そうだろうか?
なぜ?ペンの色は、二色まで?
赤のポールペンと、教科書のテストに出る大切な部分に、
ラインを引く蛍光ペン(だいたいピンク)を、持ったら
もぅ、持てない!もう一本、青くらい持ちたい!
 
私(スモーク♀)は、上に書いた、禁止のひとつ、
交換日記をしているのが、見つかり
な!なんと!親の呼び出しの刑にあったコトがある!
仲良しの女の子のグループ7人くらいで、
徒手帳くらいの、小さな薄いピンクのノートで、
毎日、誰かが持って帰って、書いて来ると言う、
とてもかわいい!コトをしていたのだ。
 
その小さなノートの最後のページに
「アドレス」を書く欄があり『私』と『ちかちゃん』が、
書いた。(特別、意味もなく・・何んとなく・・) 

ある日、交換日記の仲良しグループの一人が、
そのノートを、落としたのである!!!
運の悪い事に、そのノートは、
ニ学年下の 奴 後輩に、拾われ、
生活指導の先生の元に、ご丁寧に届けられた。
 
呼び出されたのは「アドレス欄」に名前を、
フルネームで、書いていた。
「私」と「ちか」だ!
後の5人は、あだ名や、下の名前で、日記には、
記されていなかったので、私とちかの二人で、
<交換日記>をしてるコトにしようと話し合った。
 
私達は、注意されて、すぐに帰宅できるものだと
甘く考えていた。
生活指導室で、待つ私たちの前に、やってきたのは、
もちろん、担任と、鬼の生活指導の先生二人の、
合計三人だ。
三人は、すでに、日記を読んだらしく、
とてもご立腹であった。
交換日記をしている7人は、仲良しなので、
あだ名でも、すぐに判ったであろうが、
いかんせん、フルネームが書いていない以上、
裏を取るしかない!
私達、二人は、尋問された。
『ひろちゃん、とは誰や?』
『か〜ちゃんは、誰や?』と・・・
私とちかは、出てくる名前を全て芸能人に、
置き換えて、応えた。だが、メモを取る先生に、
同じ質問をされると、誰を誰にしたのか、
しどろもどろになってしまった。
だが、最後まで、私達、二人だけの<交換日記>だと
言い張った。
 
<交換日記>の内容は、たいした内容ではなかった。
たのきんトリオ」や「シブがき隊」の話や、
前日のラジオ『オールナイトニッポン』の話、
ヤンリク』(大阪朝日放送)などの話が多かったと思う。
でも、生活指導の先生が怒ってるのは、
もちろん、交換日記は、秘密に繋がり、不良になると言う
校則を破ったコトだが、内容の、
「彼氏にするなら、芸能人で誰がいい?」の、
くだりらしい。
 
私とちかは「すぐに、親を呼び出します」と言われ、
南京錠で、生活指導室から出られないよう、カギをかけられた。
父親を呼び出すらしいが、昼間だし、
まず、自宅に連絡をして、そこから、会社に連絡をして・・
待ち時間に、気が遠くなりそうだった。
ちかは、生活指導室が、二階なので、
窓から飛び降りようとしたが、断念!
 
これは、ギャグのようで本当の話だが、
一時間ほどして、担任の先生が、カギを開けて
入って来て言った。
『親御さんに連絡がとれたので、もうすぐ来てくれはる、
その前に、カツ丼でも、食べるか?』
すでに、生活指導室と言うより、取調室である。
 (もちろん、食べる気分じゃなく断った。) 
で、しばらくして、私とちかの父親が、
迎えに来てくれた。
私は、校則を破って<交換日記>をしていたコトを、
親に言うものだとばかり思っていた。
でも、違った。
生活指導の先生が言ったのは、
『お父さん、落ち着いて聞いて下さいね。
内容は、言えないのですが、このノートにお嬢さんは
ハレンチな事を書いたんですよ!』 
父も私も、うつむいていた。
「彼氏にするなら、芸能人で誰がいい?」は、ハレンチらしい。
私は「ハレンチ」と言う言葉の方が「ハレンチ」だと思った。
 
私は「始末書3枚」を書くように言われて、
やっと、取調室、生活指導室から出られた。
 
父と私は、帰りにファミレスに寄った。
私は、「ハンバーグ定食」を食べたが、
ちょっと、「カツ丼」も、惜しいコトをしたと思った。
 
          (すべてノンフィクションです。)