幸か不幸か!?   

私(スモーク♀)が、16才の頃の、
クラスメイトの「出来事」である。
プライバシー保護のため、
その友達の名をゆう子ちゃん(仮名)とします。
 
ある日曜日、ゆう子ちゃんと、その母親は、
お昼前になっても、布団の中で、ゴロゴロしている
父親に『天気もイイし、何処かに連れて行ってよー!』と
せがんでいたらしい。
父親は「ちょっと、頭痛がする・・」と言いながら、
布団の中で、うつぶせになり、たばこを吸っていた。
起きようとしない父親に、母親が、
「お父さん!いつまで寝てるのっ!」
言いながら、布団から父親を転がして、さっさと布団を、
押入れに上げてしまった。
そして家族は「万博公園」に車で、出掛けて行った。
ゆう子ちゃんには、お姉ちゃんが、一人いるのだが、
朝から、彼氏の家に遊びに行っていたから留守であった。
天気もイイ、日曜日、家族三人を乗せた車内は、
ピクニック♪ピクニック♪していて、
幸せを絵に描いたようだったと言う。
嫁と子供の機嫌が良いのだから、父親としても、
威厳を保て、頭痛もどこかに、吹っ飛んだであろう。
そんな幸せ家族を乗せた車の反対車線を、
数台の消防車が、大きなサイレンを鳴らしながら
走って行った。
母親は「うるさいなぁ〜!」と言って、
一瞬、車内のテンションが下がったらしいが、
万博公園」に着いた頃には、機嫌も持ち直し、
ピースサインで、写真を撮ったり、おやつを食べたりして、
日曜の楽しいひと時を、満喫し、夕方には帰路についたらしい。
自宅の近くまで、帰って来て、右の路地を曲がれば、自宅という
所に、ロープが張られ、「通行止め!」に、
なり、人だかりも出来ている。
近所の人がいたので、ゆう子ちゃんの父親は、
車の窓をクルクルと開け(当時は自動ではない。)
『何かありましたんか?』と尋ねると、
 「お宅!火事でんがな!」 と
衝撃な返答が返ってきた!
ゆう子ちゃんの母親はそれを聞き、助手席で泣き崩れ
母親の号泣の中、連絡を受けた、姉は、
彼氏に両脇を支えられながら、帰って来たらしい。
 
<現場検証>で、家の近くまで行けない中、
気がかりなのは、飼い犬の『ハッピー』 雑種 である。
ハッピーは、鎖に繋がれている。
検証が終わり、家族が家のそばに行った時、
ハッピーは、全焼の家の庭の杭につながれた、
短い鎖を、精一杯伸ばし、下半身の毛を焼くだけで、
難を逃れた。
 ハッピーよ、怖かったであろう・・。
 
現場検証の結果、火元は「押入れ」と判り、
さらに、布団の燃え方から、
 「寝たばこ」が原因と判明。
母親は「お父さんが悪い!」と責めたて、
姉は、大好きな、浜田省吾のポスターが燃えたと嘆き悲しみ、
ハッピーは、ひとまず検査入院をした。
・・お父さんは、ポツリと言ったらしい。
「だから、頭が痛くて、今日は何処にも行きたくなかったのに・・」
寝てるのに、無理やり布団をはぎ取られた、父親にしてみれば、
文句のひとつも言いたいだろう。
たぶん、布団をはぎ取られた時に、タバコの灰が落ち、
それがくすぶっていて、火事になり、
家族を乗せた車と、消防車がすれ違ったようだ。
 
この話を、学校の休み時間に話してくれていた、
ゆう子ちゃんは、家が新築になるコトを、すごく
喜んでいた。
 
<BAR SMOKE H.P>
 http://www.geocities.jp/barsmoke_osaka/